お知らせ

2019/04/28 19:11



Ernest Louis
アーネスト・ルイス (研究員)
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ー奇跡の生還を果たしてから、あなたは積極的にマスコミの取材に応じてきました。
世間からは一部ネガティブな反応もありますが大丈夫ですか。



「あぁ、僕は大丈夫。彼女は念の為ママのいる田舎へしばらく居てもらうことにしたよ。」

ーそうですか。では早速ですが始めさせていただきます。
まずは口論のあった夜から、あの日起こったことを聞かせてください。

「あの夜、教授と彼女のフラストレーションはピークに達していた。
彼女の精神状態はとうに限界を超えていたし、状況に危機感を感じながらも、
ニコをあと一歩で発見できない状況に、教授の方も追い詰められていたんだ。」

ーファインズ氏が何故撤退を頑として拒んだか、当時あなたたちには知らされていなかった?

「教授が予てから彼女を西部の研究施設へ推薦していたことは聞いていたよ。
知らされていなかったのは、その手土産としてニコの研究成果が必要だったこと、
そして、今回の長期調査が教授に与えられたラストチャンスだったということだけさ。」

ー彼女だけでなく、チーム解体後の全員の迎え入れ先も、氏は用意していた事実が報道されました。
同時に氏がどうしてもニコの発見を完遂しなければならなかった理由が明らかになったわけですが。

「あぁ・・そうだね、分かってる。
僕らは教授ともう一度会わなければいけない。そのためにも事実を伝えるんだ。」

ー分かりました。話を戻しましょう。
話し合いが決裂してからの翌朝、あなた方は姿を消しています。

「まだ日も昇らない真夜中にひとり、僕はふと目が覚めた。嫌な予感がしたんだな。
彼女の方を見るとすでに彼女はそこに居なかった。急いで周囲を見回ったが姿がなかったんだ。
昨晩のこともあったし、教授たちには知らせずに、僕はひとりで来たルートを戻ってみることにした。
もちろん日が明けるまでには戻るつもりでね。」

ーそれで、彼女はどこに?

「しばらく歩いたところで彼女は座り込んでいた。
僕はなるべく刺激しないように息を整えてからゆっくりと声を掛けたよ。」

ー彼女は何をしていたんですか。

「彼女はやはり一人でキャンプを目指していたんだ。
繰り返しイーサンの話をしていたよ。一人残してきた彼のことが心配だったんだな。
比較的落ち着いているようにも見えたが、僕が隊に戻ろうと言うと様子は一変した。
彼女は僕を突き飛ばすとがむしゃらに走り出した。
危険だと思った僕はすぐに追いかけたんだ。」

ーはい。

「どこをどう来たかはすでに分からなかった。
彼女を捕まえたときには二人仲良くジャングルの迷子さ。
念の為二人分の荷物を持ってきていたのだけが幸いだったよ。
そこから数日間、なんとか生き延びることはできた。」

ーなるほど。ジャングルを彷徨った後、ルートへ戻れたのは偶然?

「森を駆け回った際に足を負傷していた彼女は、移動も困難になってきてね。
いよいよ途方に暮れていたときだったよ。
遠目に僕たちを見ているある生物を見つけたんだ。」

ーほう。それは何だったんでしょうか。

「小型の犬かうさぎのような二本足の生物が一匹。
その背中に、もう一匹小さな生物がしがみつくように乗っているのが見えた。
そっちの方はすぐにわかったよ。そう、ニコさ。
ニコは僕たちを気にしているようだった。
そして僕たちが存在に気づくと、まるで付いてこいと言うようにゆっくりと移動を始めたんだ。」

ーちょっと待ってください。
ニコともう一匹?別の生き物ですか?

「あぁ。ニコはその生物の背中に乗り、移動手段としているようだった。
ニコはそのもう一匹を“ウェルモ”と呼んでいたね。」

ーウェルモ、ですか。
ファインズ氏からは、そのような生き物の存在は聞いていませんが・・・

「報告書には目を通しているんだよね?」

ーはい。当時の記録には一通り目を通しています。

「ウェルモのことはどこにも?」

ーはい。そのような記述はありませんでした。

「おかしいな。ニコとウェルモは見たところ共生関係を持っているのは間違いない。
そうなれば必ずニコの集落にもウェルモは居たはずだ。」



ーそのウェルモという生き物は何なんでしょうか?

「詳しいことは僕もこっちで調べ始めたばかりさ。
それについて興味深い子守唄を見つけたから、良かったらあとでメールするよ。
すまないが僕には早急に教授と会わなければいけない理由がまだ他にあるようだ。
続きはまた日を改めていいかい?」

ーはい、ぜひお願いします。
最後に確認ですが、あなたたちはニコに案内される形でルートへと無事戻ることができた。
そういうことでしょうか?

「あぁ。その通りだ。
なぜニコが僕らを助けたのかまでは分からないけどね。
あのときも今も、僕らがこうしていられるのは彼らのおかげってわけさ。」


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【ウェルモ & ニコ レポート 3 】アーネスト・ルイス (研究員)
【ウェルモ & ニコ レポート 4 】近日公開
【ウェルモ & ニコ レポート 5 】近日公開

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